フォークリフト免許の取得を目指す際に気になるのが、講習費用と受講にかかる日数です。講習の種類や受講者の条件によって金額は異なり、無駄なく取得するには事前の情報収集が欠かせません。この記事では、免許別・日数別に講習料金の目安をわかりやすく解説し、コース選びに役立つ情報をお届けします。
フォークリフト技能講習の概要と対象資格

フォークリフトの運転業務に就くには、所定の講習を受講し、修了証を取得することが法律で定められています。その講習には、大きく分けて「技能講習」と「特別教育」の2種類があります。これは、運転するフォークリフトの最大荷重によって区分されており、資格の取得方法や講習内容、費用にも違いがあります。
技能講習と特別教育の違い
「技能講習」は、最大荷重が1トン以上のフォークリフトを運転するために必要な講習です。労働安全衛生法に基づき、修了証の取得が必須とされる国家資格に準ずる資格で、教習所などの指定機関で受講する必要があります。
一方、「特別教育」は、1トン未満のフォークリフトに限定された講習です。国家資格ではありませんが、法令上、業務に従事する前に特別教育の受講が義務付けられています。こちらは教習所のほか、事業所内での実施も可能なケースがあります。
種類 | 対象機体 | 法的区分 | 修了証 | 講習時間 |
---|---|---|---|---|
技能講習 | 最大荷重1t以上 | 労働安全衛生法 第61条 | 必須(全国有効) | 15〜35時間程度 |
特別教育 | 最大荷重1t未満 | 安衛則 第36条 | 必須(限定業務) | 約11時間程度 |
このように、フォークリフトを運転するには対象機体に応じた講習の修了が必要であり、自分が従事する予定の業務内容を確認したうえで、適切な資格を選択することが求められます。
講習が必要となるフォークリフトと業務範囲
フォークリフトには、カウンタバランス式やリーチ式などの種類があり、用途によって使用される現場が異なります。いずれも荷役や構内走行といった作業に用いられ、操作には学科と実技による十分な訓練が必要です。
講習が必要となる主な業務は以下のとおりです。
- 構内での荷物の積み下ろしや運搬
- 物流センターや工場でのパレット移動
- 建設現場などでの重量資材の搬送
- 冷凍倉庫や狭所作業を含む特殊環境での操作
これらの業務に従事するには、フォークリフト運転技能講習または特別教育を修了していることが前提となります。無資格での運転は法令違反となり、事業所や作業者に罰則が科される可能性もあるため注意が必要です。
費用に影響する要素とは?
フォークリフト技能講習の費用は一律ではなく、講習の種類や受講者の保有資格・経験によって大きく異なります。また、教習所や地域による差もあり、条件に合ったコース選びがコストを左右する重要なポイントです。
ここでは、費用に影響する主な要素を2つに分けて解説します。
講習の種類(技能講習/特別教育)
最も基本的な費用差は、受講する講習の種類によって発生します。技能講習と特別教育では、講習時間やカリキュラム、必要な人件費が異なるため、それぞれの料金に差が生じます。
- フォークリフト運転技能講習(1t以上)
→ 法的な技能修了証が必要。学科と実技を合わせて15〜35時間程度の講習。
→ 費用相場:3万円〜6万円前後 - 特別教育(1t未満)
→ 軽量フォークリフト専用。学科6時間+実技5時間=計11時間前後。
→ 費用相場:1万円〜3万円程度
技能講習は講習時間が長く、教習所の設備や講師の稼働時間も多いため費用が高めとなります。一方、特別教育は時間が短く、社内研修で実施されるケースもあり、比較的費用が安く設定されているのが特徴です。
受講者の条件(免許の有無・経験の有無)
同じ技能講習であっても、受講者の条件によって費用が変動する場合があります。とくに注目すべきは以下の2点です。
- 普通自動車免許の有無
→ 普通自動車免許を持っている場合は、講習の一部(走行操作など)が免除され、講習時間が短縮されます。
→ その結果、費用も3,000〜5,000円ほど安くなる傾向があります。 - 業務経験の有無(6ヶ月以上)
→ 事業所からの証明がある場合、15時間や19時間の短縮コースを受講可能。
→ 費用も短縮され、2万円台〜3万円台の講習も選択可能です。
このように、受講者の背景により時間コースや講習内容が変動するため、最終的な講習料金にも違いが出るという仕組みになっています。
フォークリフト技能講習費用と日数の目安(免許条件別)
フォークリフト運転技能講習は、受講者の所持している免許や経験年数によって、講習時間・受講料ともに異なるコースが用意されています。ここでは、もっとも代表的な3つの条件別に、費用と受講日数の目安を解説します。
普通自動車免許ありのコース(31時間)
普通自動車免許を所持している方が対象のコースでは、運転操作の基礎があると見なされ、学科や実技の一部が短縮されます。このコースは、最も多くの教習所で基本プランとして採用されています。
- 講習時間の目安:31時間(4日間)
- 料金相場:33,000〜45,000円(税込)
- 学科・実技ともに標準的な構成で、修了後はフォークリフト運転技能講習修了証が発行されます。
このコースは、就職活動や転職時の資格取得にも適しており、最も一般的な選択肢です。
普通自動車免許なしのコース(35時間)
運転免許を持っていない方は、フォークリフトの走行操作に関する内容を一から学ぶ必要があるため、講習時間がやや長めに設定されています。
- 講習時間の目安:35時間(5日間)
- 料金相場:36,000〜50,000円(税込)
- 自動車免許がない場合でも受講は可能で、修了証の取得後は法的に同じ業務範囲に対応できます。
このコースでは、走行時の視界・ハンドル操作・確認動作などの基礎部分を丁寧に学べるため、安全意識の醸成にもつながります。
実務経験者向けコース(15時間・19時間)
過去に6ヶ月以上の実務経験がある方は、勤務先からの証明書を提出することで、短縮講習を受講できる場合があります。このコースでは、経験者であることを前提に講習が組まれており、講習時間も短く、費用も抑えられます。
- 15時間コース:2日間、料金相場 25,000〜35,000円前後
- 19時間コース:3日間、料金相場 28,000〜38,000円前後
対象となる方:
- 以前、構内作業などでフォークリフトの運転経験がある方
- 勤務先からの経験証明(期間・作業内容等)の提出が可能な方
この短縮コースは、効率的に資格を取得したい経験者にとって非常に実用的な選択肢です。
特別教育コースの内容と料金
最大荷重1トン未満のフォークリフトを運転するためには、「特別教育」を修了することが必要です。これは技能講習とは異なり、国家資格ではないものの、労働安全衛生規則により義務付けられた教育制度です。主に、小型のリーチフォークリフトや倉庫内での軽作業用機体を操作する業務に対応しています。
1トン未満のフォークリフトに必要な資格
対象となるのは、以下のような小型フォークリフトです。
- 最大荷重1トン未満の構内専用フォークリフト
- 軽量荷物の荷役や短距離運搬を行う車両
- コンパクト型リーチフォークリフトやバッテリー式フォークリフト
これらの車両を使用する作業に従事する際、「フォークリフト運転特別教育修了証」の取得が義務付けられています。技能講習とは異なり、講習実施の自由度が高く、企業内やセンター等でも実施されます。
- 対象者:18歳以上であれば誰でも受講可能
- 受講資格:普通自動車免許の有無は問われない
講習構成(学科・実技)と時間の目安
特別教育コースは、比較的短時間で修了できるのが特徴です。講習は学科と実技の2部構成で、内容は以下の通りです。
項目 | 内容 | 時間目安 |
---|---|---|
学科 | フォークリフトの構造、労働災害の防止、関係法令 | 約6時間 |
実技 | 点検・操作・走行・荷役作業の基礎訓練 | 約5時間 |
合計 | – | 約11時間(1〜2日) |
費用相場は以下の通りです。
- 10,000〜25,000円程度
- 地域や教習機関により異なるが、技能講習よりも費用負担が軽い
- 一部企業では社内研修として実施し、受講料が不要となるケースもあります
なお、修了証は原則として無期限で有効ですが、勤務先での安全教育や追加指導が求められる場合もあります。
地域差と教習所による講習費用の違い

フォークリフト技能講習や特別教育の費用は、全国一律ではなく、地域や教習所ごとに異なるのが実情です。受講料金には、人件費・施設使用料・講習スケジュールの柔軟性など、さまざまな要素が影響しており、同じ31時間コースでも数千円単位の差が生じる場合があります。
都市部と地方の料金傾向
都市部では、以下のような要因から受講料がやや高めに設定される傾向があります。
- 教習所の維持費や人件費が高い
- 講習希望者が多く、需要が集中するため
- 夜間・土日対応などフレキシブルな日程を提供している
一方、地方では次のような特徴があります。
- 敷地に余裕があり、広い実技エリアでじっくり学べる
- 比較的安価で、3万円台前半の技能講習コースも存在
- 地域密着型で、地元企業向けの団体割引がある場合も
例
- 東京都内の31時間コース:約40,000〜55,000円
- 九州・東北など地方エリア:約30,000〜42,000円
受講する地域によっては、交通費や宿泊費を含めた全体コストの比較も重要になります。
教習所選びのポイントと注意点
教習所を選ぶ際は、料金だけでなく講習内容・日程の柔軟性・サポート体制も考慮する必要があります。以下のようなポイントを押さえておきましょう。
- 講習スケジュールの頻度や振替制度の有無
- 学科試験・実技試験の合格率や補講の対応
- 修了証の発行までのスピード(即日交付か後日郵送か)
- 受講時に必要なもの(本人確認書類・印鑑・筆記用具など)
また、キャンセルポリシーや予約締切日にも注意が必要です。特に繁忙期(4月・10月など)や年度末は混雑しやすく、早めの予約が推奨されます。
さらに、教習所によっては「大型特殊免許」「中型免許」「クレーン操作」などの複数資格を一括取得できるプランを設けている場合もあり、将来のキャリア設計にあわせた講習選びが可能です。
費用を抑える方法と助成制度の活用
フォークリフト技能講習の費用は決して安くはありませんが、公的制度や企業支援を活用することで費用負担を軽減できる場合があります。ここでは、講習料金を抑えるために利用できる代表的な制度や支援策をご紹介します。
公的支援(ハローワーク・自治体補助など)
求職者向けの支援制度の中でも、ハローワークが実施する「公共職業訓練」や「求職者支援訓練」は、フォークリフト講習を無料または低額で受講できる代表的な手段です。
- 公共職業訓練(離職者対象)
→ 失業保険を受給中の方が対象。技能講習を含む講座が無料または一部助成付きで提供されます。
→ 条件により、交通費や教材費も補助対象となる場合があります。 - 求職者支援訓練(非雇用者対象)
→ 雇用保険を受給していない方も対象。講習は原則無料で、一定の収入条件を満たせば月額給付金(10万円程度)の支給もあzり。
また、一部自治体では、独自に技能講習費用の補助制度を設けており、地域ごとに支援内容が異なるため、事前に自治体や商工会議所に確認するとよいでしょう。
企業負担・団体割引・助成金の利用例
フォークリフトの業務がある企業では、社内の安全教育や人材育成の一環として講習費用を会社が全額または一部負担するケースも珍しくありません。
- 入社後に会社負担で受講させる制度(給与扱いの研修として実施)
- 資格取得奨励金として、修了後に費用を還元する制度
- 複数人での団体受講による割引(1人あたり5〜10%引きなど)
さらに、中小企業等に対して国が支援する「人材開発支援助成金(厚生労働省)」を活用すれば、企業は講習費用の一部を助成金として受け取ることも可能です。
- 助成金の対象:技能講習、特別教育、安全衛生教育等
- 支給額の目安:受講料の45〜60%(上限あり)
これらの制度をうまく活用することで、個人・企業ともに経済的負担を減らしながら、安全かつ法令に準拠した業務が実現可能になります。
まとめ
フォークリフト技能講習の費用や日数は、講習の種類や受講者の条件によって大きく異なります。特別教育であれば1万円台から受講可能ですが、技能講習では日数も費用も増加します。また、普通自動車免許の有無や実務経験の有無によってもコースが分かれるため、自分に適した内容を選ぶことがコストを抑える第一歩です。地域や教習所による違いもあるため、複数の講習機関を比較することが重要です。公的支援や助成金の活用も視野に入れ、最適な条件で資格取得を目指しましょう。
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